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ボランティア体験記
「8歳あまね日記・母との語らい」

あまねちゃんとお母さん (第10回SCHECカンボジア支援活動 07年4月参加)

あまね日記 4月28日(土)

カンボジアでのこと(5)

 きょうも、ペンやノートをくばったよ。朝からいどをまわって「クダウ」(母注※クダウ=暑い)だった。でもみんなとなかよくなったり、わらいあったりして楽しいよ。
 みんなうけとったらオークンと、いったり、うけとってありがとうと手をあわせてくれたり、なんにもいわなかったりしておもしろかった。
 いどをみに、くるまでいって、それからいどをみまわってあるいていたら、田口さんがあまねの井戸もあるといった。みにいったら、ばしょもよかったし、つかってくれることもうれしかったです。
 おわり


お母さんの日記 4月28日(土)

 井戸視察二日目、この日の暑さがいちばんこたえる。娘は、「ここでの自分の仕事は、ボールペンや歯ブラシを渡すこと」という自覚が出てきたらしく、前日のようにぐだぐだ言わず、何度ももらいに来る子を覚えながらしっかり配っている。
 この日は私と娘と私の母、三人連名でお願いした井戸が出てきた。実際に使ってくださるご家族を前に、本当に使ってもらえるんだ…と考えた瞬間、想像以上に胸に迫るものがあった。ただコースの最後のほうだったため、ご家族に渡せるプレゼントがもうなにもなかった。それがものすごく、心残り。

 この日印象に残ったのが、子どもさんに筆記具などを渡した際、背後からその子を抱えるようにして両手を「合わせさせて」いたおばあちゃん。「オークン(ありがとう)」という言葉は自分が口にしながら、子ども(孫)に、からだでお礼の仕方を教えている。子どもを育てるのは、言葉以上に、親やまわりの大人の態度だよなあと、反省も含めあらためて感じた。私もあんなばあちゃんになりたい。

 子どもたち、本当にかわいい。屈託なく近寄ってくる子、引っ込み思案で遠くにいるけど興味津々で眺めている子、筆記具がほしいのに言い出せなくて遠巻きにしている子、どこかしらアンニュイな雰囲気で、興味のなさそうな子。娘やその友だちと、共通点がたくさん見つかる。「日本の子どもに比べて瞳が輝いている」などと言った評言もたまに聞くが、そんなことない、どちらも一緒。その輝きを失わせる大人がいるか、いないか、その違いはあるかもしれないけれど…。この子たちがこの先教育を受けて、いつか、大きくなった娘と顔を合わせる日を、夢見てしまう。
 そういえば娘は出発前から『地球の歩き方』をいくどもめくって拾い読みをしていたが、帰国後、日記に「クダウ」なんて書いてあるのを見てびっくり。アンコール・トムを訪れた際には「アンコールは都、トムは大きいってことだよ、そんなことも知らないの」と…。若い脳細胞がうらやましい。

 夜、打ち上げ。子どもを若いみなさんに託し、おいしいお酒を飲んで、久しぶりに楽しく酔っ払ってしまった。これぞ、ふたり旅では恐ろしくてぜったいにできないことで、同行のみなさんには感謝の言葉もありません…。
SCHEC