認定NPO法人SCHECのホームページをご覧いただきありがとうございます。2002年NPO法人設立当初から、長く理事長を務められた河野篤先生の後任に今年度から選任されました永井と申します。
1999年11月に田口副理事長がシェムリアップの地に初めて掘った井戸4本のうち2本を私の所属する大宮シティロータリークラブ(埼玉県さいたま市)が寄付させていただいたことから私のカンボジアとの縁が始まりました。
アメリカ同時多発テロ直後の2001年11月、まだ世界が不安の渦中にあるときに、家族の反対を押し切り、初めてカンボジアに渡りました。農村地帯の貧しい生活環境で私が目にしたのは、ため池の濁った水を飲みながらも輝く瞳で、にこやかに笑う子供たちの姿でした。
同じアジア人として、日本国内との違いに愕然としたのが第一印象で、また歯科医師として彼らの口腔内を見ると、虫歯だらけでよく我慢していたねと、言える状況にびっくりしました。それは農家の月収がまだ10ドルしかなく、歯を抜くのに10ドル、歯科医院まで往復5ドルかかるとあっては、誰もが治療を受けられない事は明らかでした。
SCHECは2008年8月には認定NPO法人となり、寄付して頂いた方が寄付金控除も受けられるようになりました。活動の内容は水、教育、医療の支援活動が中心で、井戸掘り、学校建設、歯科治療の3つを柱にしています。最近では現地中学生の要望で、日本語の授業も始まりました。
カンボジア・シェムリアップ州に限定して活動を進めています。この地域限定支援活動により普段人のあまり入らない密林地帯での井戸掘りを始め、教育水準向上、抜歯治療から歯の保存治療、虫歯予防をいっそう押し進めて行きたいと考えています。これまで2570本の手押しポンプ井戸を掘り、2基の簡易水道、22校の小中学校を建設(2015年4月現在)、毎年11月には小中学生の歯科検診、村人の治療合わせて700名近くの歯科診療を続けてきました。
「継続は力なり」。お陰さまでSCHECの活動も年々充実してきました。ご存じのようにこの数年のカンボジアは年7%前後の経済成長を見せ、ずいぶん様変わりをしてきました。しかし、都市部と農村部の格差はさらに拡がりつつあるように見え、発展から取り残されている地域もあります。そうした中で、SCHEC活動も一つの節目を迎え、今後は若い方々に世代交代していく時期にきていると思います。その橋渡しが私の役目と思っています。
毎年カンボジアに行くことは、私にとって何よりの楽しみとなっています。それは現地の人々の素敵な笑顔に出会えるからです。また毎年カンボジアで再会するリピーターのボランティアの方々、歯科医師、歯科衛生士の方々と一緒に活動できることもあります。みなさまに感謝し、今後も更なる御協力、御支援をお願いしまして挨拶とさせていただきます。
2015年6月30日
認定特定非営利活動法人
カンボジアの健康および教育と地域を支援する会
理事長 永井 厚
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