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ボランティア体験記
「暑くて熱くて厚かったカンボジア」

広浜千絵さん (第6回SCHECカンボジア支援活動 05年3月参加)

カンボジア第4日

■寺院に流れるゆっくりとした時間。

 ホテルのダイニングで朝食。干しエビなどが入ったおか ゆ、スクランブルドエッグ、ハムのソテー、サラダ、コ ーヒー。

 釈迦の涅槃像があるという寺院へ行く。あちらこちらに 咲いている花々が目を楽しませる。鮮やかなピンク、白 、藤色、赤……色とりどり。長い石段を上り、寺院の敷 地の隅で靴とソックスを脱いで、大きな岩に沿うように して建てられた寺院の階段を上る。内部にはゴールドに 塗られた釈迦が長々と寝そべっていた。信心深そうなカ ンボジア人のおじいさんが釈迦に向かってじっと手を合 わせている。かたわらには息子のような人が寄り添う。 親孝行のために父親を連れてきたのかもしれない。

 瓦礫のような遺跡のある川べりで昼食。川床がしつらえ てあり、涼しい風が渡っていく。おにぎり、鶏の唐揚げ などのお弁当が配られた。その一帯はシェムリアップ周 辺の人々の憩いの場なのだろうか、家族連れが多く、子 どもたちのはしゃぐ声が響き渡り、体に布を巻きつけて 浅い流れに浸かっている女性たちもいる。

 夕食はホテルのダイニングで、前日と代わり映えしないメニュー。食事後、田口氏が「屋台に行く?」と誘ってくれたのでホテルウーマンの平山さんとともに出かけた。屋台の飲み屋は一見して衛生的ではなさそうだった。かつて新宿南口にあったバラックの飲み屋のような風情か。でも、暗すぎてよく見えないので、かえって助かる。カンボジアの焼酎があるというので、それを注文した。インディカ米(長粒種)を使った米焼酎らしい。ボトルではなくガソリンでも入れるようなプラスティックの容器で出された。一口飲んで「うっ、マズイっ!」と思わず叫ぶ。平山さんの通訳によると、お店の女性が「コーラを入れるとおいしいよ」と言ったらしいので追加してコーラで割る。まー、コーラで割れば、ほとんどのものは呑めるだろう。

 別の屋台へ移動し、野菜たっぷりの焼きそばと汁ビーフンを食べる。なかなかおいしい。田口氏が「カンボジアに来たらこれを食わなきゃ!」と言って卵を注文した。これは孵化する前の卵で、テレビや雑誌では見たことがあるが食べたことはなかった。殻を少し割っては、塩・胡椒にライムを搾ったもので味つけをしながら食べる。いきなり目やくちばしが出てきたらどうしよう!!と怯えつつ、勇気を出して割ってみる。ゆで卵の黄身のような部分が現れた。でも、血管のようなものも見える〜ッ!スプーンで一口分すくって「エイッ」と口に運んだ。鶏肉とゆで卵の黄身が合わさったような味がする。私はそれ以上、食べられなかったが、田口氏は「うまい、うまい」と3個も食べた。現地の若い女性グループが来て、みんなその卵を注文している。美容にいいのかしら???帰りがけにデザートの屋台を見つけたので、ゼリー状のもの、ナタデココのようなもの、ココナッツミルクなど、適当にいくつかを指さすと全部まとめて透明なナイロン袋に入れて渡してくれた。ホテルに帰ってから食べてみると、ものすごく甘くて閉口した。
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