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「カンボジアと日本、人の力が結集した歯科診療活動」
歯科技工士 邑田歳幸さん/2006年歯科診療活動参加
治療に訪れた患者さんはみな協力的でスムーズな受付ができました。
 SCHECのカンボジア歯科診療活動に関しては以前より参加した先生からお話を伺う機会があり、間接的にお誘いをいただいていた。しかしながら休暇の都合や所用により見合わせざるをえなかった。一人旅が好きで開発途上国へ行くことの多い私はあるとき、タンザニアでフランス人ボランティアから『日本はお金は出すが人は出さない』と言われたことが長年しこりのように残っていた。国際交流協会に幾度か出向いたこともあるがなぜか気の向かないままになっていた。2005年、河野先生からシェムリアップよりタン先生ご夫妻が来日し約1ヶ月間研修予定との連絡が入った。特にインプラントと補綴及び技工に関しての研修希望が強く、サポートを引き受けることとなった。私にとっては勤務を継続しながら国際協力ができるまたとない機会となった。

 2006年11月のSCHECのカンボジア活動で出迎えてくださったタン先生がしっかりと抱擁してくれたのは久しぶりに会った嬉しさというより、多数の協力者がカンボジアの医療と教育のために来てくれたという感謝の証に違いない。現地では細かな診療の前準備からセッティング、後片付けにいたる多くのことを全員が手分けをして黙々と行った。正に人の力の集結である。診療現場では若手歯科医の方たちは河野先生を中心とした経験豊かな先生方のアドバイスを受けながら黙々と診療を行っていた。水分補給を忘れ、給水を促されることもあったほどである。私は主にタン奥様と受付係と問診、指示を受けて薬の処方を受けもった。クメール語はさっぱり理解できないためタン奥様の奮闘に助けられながらも私なりの協力ができたと思っている。到着した頃はやや緊張の面持ちであった若手歯科医の方々も、帰国する頃には柔和な顔つきに変わったのは診療を終えた充実感とカンボジアの人々の笑顔からくるものだろうと思った。
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