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参加者が見た歯科事情/歯科活動レポート(歯科医師)
「オークン(ありがとう)」
歯科医師 岩田知佐子さん/2007年歯科診療活動参加
患者さんからの「オークン(ありがとう)」という言葉が、とても励みになります。
 カンボジア・・・。まったく未知の世界。

 治安は?

 食事は?

 でも、不安より、どんな国なんだろう?治療はどのように行うのか?

 口腔内環境は?などの、好奇心の方が強く、行くなら今だ!と思い、活動に参加しました。

 診療が始まってみると、話には聞いていましたが、マラリア、腸チフス、肝炎などの感染症の多さ、細くて長い日本人とは違う歯、カリエスの多さ、意外にゴールドの補綴物が入っている人が多い・・・など、さまざまなカルチャーショックを受けました。治療基準が、日本とは違うことに戸惑いつつ、抜歯中心でしたが、アイオノマー充填も多数行いました。

 小学校の検診では、プラークコントロールの悪さに驚きました。やはり、予防から始めないと、治しても虫歯は増える一方。どんどんブラッシング習慣が浸透して欲しいと思います。でも一生懸命ハブラシのやり方の話を聴き、無邪気に遊ぶ子どもたちはとても可愛く、心が和みました。

 ボランティア活動ということもあってか、参加されているみなさん、明るく親しみやすい方たちで楽しい時間が過ごせました。みんなで行った屋台、疲れが取れたマッサージ屋、値段交渉も楽しいオールドマーケット、2時間睡眠で見たアンコールワットでの素晴らしい朝日。思い出もたくさんできました。

 診療で得たこと、活動を通して出会えた方々、カンボジアの人々の笑顔、すべてが、人生における財産になりました。やはり人から話を聞くのと、実際に体験するのでは、まったく違います。思い切って、この活動に参加してよかったと心から思います。

 今後カンボジアの歯科医療環境が向上していくことを願います。
SCHEC