ご参加された歯科医師の方々とチーム医療で治療を行います。 |
ポル・ポト政権時代に、少なくとも100万人を超える国民が犠牲となったと言われています。800名いた歯科医師も、この時代に災難に会い、生存者は10数名になってしまいました。生き残った方々が歯科大学(現ヘルス・サイエンス大学歯学部)を立ち上げ、歯科医療の再建に乗り出しました。現在大学卒の正規の歯科医師は300名を越していますが、依然として歯科医師は不足しています。本会で2回招聘し、鶴見大学で研修したタン先生(シェムリアップで開業、現地で歯科診療に協力してくださる歯科医師)によると、大学の卒業生はプノンペン周辺に多く集まり、カンボジアの行政区21州、3特別市のなかに歯科医師が1名しかいない州もあるとのことです。シェムリアップでは正規の歯科医師は3名、後50名近くの無資格の人が歯科医業を行っている状況で、歯科医師不足のうえに、また医療費が生活費と比べ、極めて高く、多くの人は歯科治療を受ける機会は大変少ないとのことです。
2003年第3回の歯科診療時にわれわれが調査した結果では、地域により差はありますが、調査できた481名のうち、今まで歯痛を経験した人は470名、うち歯科を受診したことのある人は66名(14%)でした。痛みがあっても歯科の受診者は少なく、服薬などで過ごしており、従って口腔内環境も極めて悪い状態にあります。
日本では1日1回以上歯を磨く人は96.14%に達していますが、カンボジアでは1日1回以上歯を磨く人は少ないと思います。平成18年度に、本会の歯科診療に参加した歯科衛生士さんが小学校2、3年生の学童52名を対象に調査したところ96%の児童にプラークが付着していました。日本ではほぼ同年代の小児で17.4%で、歯を磨く習慣の差だと思います。
SCHECとしては児童に歯を磨く習慣をつけさせ、むし歯を減少させるべく会員の寄贈したバンテアイスレイ・サンキム小学校をはじめ数校を拠点校として口腔衛生指導活動に取り組むことにしています。 |