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特徴実績Q&A参加者が見た歯科事情活動風景
参加者が見た歯科事情/歯科活動レポート(歯科医師)
「カンボジアでのボランティア活動で感じたこと」
歯科医師 北山登紀子さん/2006年歯科診療活動参加
薬、治療器具などは不足ぎみなので、効果的な活用が求められます。
 活動を前に都内で説明会が開かれた。今まで活動に参加された経験のある先生方、関係者の方々の話を伺うにしたがい、初めて参加する私は、徐々に緊張をしていった。なぜなら、暑さのなかでの青空診療、十分とはいえない治療器具や薬品、衛生状態等々について、決して軽い気持ちで参加を決めたわけではなかったが、実際の話を聞き、正直なところ少々不安になった。

 不安と期待を抱きつつ、バンコクを経由しプロペラ機に乗り換えシェムリアップに到着した。いよいよ翌日から活動開始である。

 暑さは聞いていた通りであった。診療は防護衣、マスク、グローブ等を身に着けて行うため予想以上だったかもしれない。しかしいったん診療が始まると、集中し暑さがさほど気にならなくなり、ミネラルウォーターを飲むのも忘れてしまう。一斉に水分補給するように指示があったことが良かった。すべての方に対応できないというほどではなかったが、それくらい患者さんは一人治療が終わるとまた一人というように続いていた。また、経験が浅い研修医の私にとっては太陽の光と、少ない器具を駆使して行う抜歯が難しい場面もあり、先輩の先生方に助けていただきながら治療を進めることができた。

 しかしこちら側が難しいと感じているということは、治療を受けている患者さんにとっても大変ということである。私が驚いたことの一つは、そんな状況にもかかわらず抜歯の最中、小さな子どもでも大抵は泣かないということだ。彼らのたくましさとともに、現地での歯科医師の不足や治療にかかる金額などの面から、歯科診療を受けられる機会が乏しいという実情と、彼らの身近で行われた我々の活動でぜひ治療を受けたいという強い気持ちを感じた。

 今回の活動が終わってみると当初抱いていた不安はほぼ払拭されていた。それというのも準備を重ねていらしたスタッフ、他のボランティアの方々みなさんと協力しながら進めることができたからだろう。今後もまたこのような機会があればぜひ参加したいと思う。
SCHEC