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参加者が見た歯科事情/歯科活動レポート(歯科医師)
「ボランティア参加を通じて‐カンボジア体験記‐」
歯科医師 町田賢太郎さん/2002年、他多数歯科診療活動参加
診療を待つ長蛇の列。毎回、いかに診療活動が望まれているかを実感します。
 2002年に初めてカンボジアにきたとき、シェムリアップはアンコールワット遺跡があるため国際空港でしたが、一番に見たものは「ヘビ」でした。話には聞いていましたが、すごい所にきてしまったなと思ったのが私の最初のカンボジアの印象です。

 早速次の日より治療です。場所は市街より1時間ぐらいバスに乗って行きます。始めの10分位はきれいなアスファルトで舗装され乗り心地も良かったのですが、やはりカンボジア。そこから先はまだ塗装されていない砂利道となり、細かい砂埃がバスの中にまで入ってきて途端に乗り心地が悪くなりました。そして到着した現場にはすでに100人ぐらいの子どもからお年寄りまでが待っている状態です。急いで準備して治療を開始します。しかし日本と勝手が違い戸惑いの連続です。え、この歯を抜いてしまうの? え、何で抜けないの? 歯医者すら見たことも無く、言葉も通じない状況です。この国全体でも歯科医師の数は数百人しかいなく、継続的な治療はとても望めない環境ですし、食べ物は繊維質が多くかたい物を食べているためか、骨は固く歯根は長い患者さんばかりでした。経済環境、食生活が違うと歯科治療もこんなに違うのです。日差しの強い時間が過ぎると患者さんも少なくなり、そして爽快な疲れと共に一日も終了でした。

 2002年からのカンボジアでのボランティアを通じて、急成長するこの国を目の当たりにすることができました。まさに年1回行くたびに面白いように国が変わっていっています。初めて行ったときにはバイクもあまり無く、市の中心部より近いホテルの前でも牛が荷台を引いていたのが、バイクが増え、車が少し目に付くようになり、最近は車が増え渋滞するようになってきました。人々の活気と希望も変わってきました。始めは市街地でも昼間から何もやることが無いからか、町にも何もしていない人が多かったのですが、今では目に力があり、新しい機器(携帯電話など)を用いて何かに打ち込んでいるようです。私の知らない日本の高度経済成長時代の活気もこんな感じだったのかと考えたりもします。ただ当時と違い経済のグローバル化やIT関連の進歩により、発展のスピードが格段に速くなり、インフラ無しでも情報が瞬時に伝わるようになったので、さらに加速しているように感じています。小学校での検診を行っていても、海外からの今までに無い甘いお菓子によりむし歯になる子が増えています。できればグローバル化による甘いお菓子の浸透ではなく、IT関連の進歩によりブラッシングの情報が伝わり根付いてくれればと思い、そして日本みたいに経済成長と共に大量のむし歯が、子どもたちにできることが無いように行っていければと考えています。

 さらなるカンボジアの進歩を考え、我々のボランティアも当初の痛みのみを取り除く治療から、噛むことができるようにする治療を中心にしていければと考えています。
SCHEC