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カンボジアにきれいな水を!
きれいな水がカンボジアの人たちの
命を支え、健康を守ります。
 農業国であるカンボジアでは、人口の約8割が農民です。長期にわたる内戦の混乱のなかで荒廃が進み、電気も水道もほとんどの地域で未だに整備されていません。そのため、農村で暮らす人々の多くは、ため池の水や大きな瓶に貯めた雨水を長年利用してきました。しかしため池の水は黄土色に濁り、牛などの家畜も利用します。つるべ式井戸の中を覗いてみると、木の葉やうっすらと油が浮いていたりもします。カンボジアには水を沸かして飲む習慣もないようです。そのため、農村では眼病疾患や皮膚疾患の子どもたちが多く見受けられます。そして、各家庭の水瓶などはマラリアを媒介する蚊の発生源ともなり、子どもの高い罹患率の大きな原因となっています。

 このような問題を解決するためにはきれいな水が確保できる井戸が必要です。 農村地帯ではまだまだ収入が低く、農家の月収は10〜20米ドルのところが大半のため、現金収入の少ない農村の人たちの力だけでは、衛生面に優れた井戸を掘ることはできません。 SCHECではこうした衛生面の問題を考慮して、水源を守るためコンクリートを張った手押しポンプ付きの井戸を寄付しています。
▲マラリアを媒介する蚊の発生源となる水瓶
▲遠くまで水を汲みに行く子どもたちの仕事
命の源泉「水」、SCHECは
最も必要としている人にそれを届けています。
 SCHECでは、日本のみなさまから寄付していただいたお金で、2m四方のコンクリートを張った手押しポンプ付きの井戸を現地業者に発注しています。1本当たり2万5千円で地下約30mの深さの井戸を掘ることができます。これを1世帯当たり平均7人の家族構成で、1本につき3〜7世帯が利用します。

 井戸の設置場所を決めるときに、大事にしていることが2つあります。1つはより水を必要とする地域へ設置すること。そのためSCHECは貧しい農村にまで分け入って活動しています。もう1つはなるべく多くの人が使える地域に設置すること。カンボジアでは未だ多くの人が井戸を必要としています。できるだけ効率よい支援を心がけています。この2つの問題を踏まえ、前もってカンボジアのパートナー(カンボジア国会議員ナム氏)に現地調査を行ってもらいます。井戸は年2回行っている現地視察の約1ヶ月前に発注します。

 完成した井戸は、SCHECが4月と11月に現地に赴き、時間をかけて一つずつ確認して回ります。帰国後、現地で撮影した井戸の写真と活動の報告書をご寄付いただいたみなさまにお送りします。このときナム氏からの感謝状も一緒にお送りします。この井戸は、パッキンなどの消耗品部分の交換をすれば何十年と使い続けることができます。SCHECは現地の支援者と協力しながら、設立以来、毎年約150本の井戸を掘ってきました。

 このようにしてできた1本の井戸が、その周辺に暮らす人々の生活を大きく改善することを、SCHECは井戸掘り事業を通じて実感してきました。もちろんすべての家族に対してきれいな水が行き渡ることが理想ですが、未だに一つも井戸が設置されていない村や地域が多くあるのが現状です。貧困に苦しむ子どもたちにきれいな水を贈るため、これからも継続的に活動を続けていきたいと思います。
▲井戸を掘る作業も手慣れたもの
▲カンボジア国会議員ナム氏から届く感謝状
▲きれいな水に子どもたちも気持ちよさそう
現在までの井戸設置累計本数(2016年4月現在)2,700本
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