今回は人数が少ないこともあり、毎日の診療場所は
1か所のみとなりました。
19日はこれまで続けてきたコックトロック・ルー・サンキム中学校で、あとの
2日間はスレノイ・赤坂・サンキム中学校で行いました。なぜか、この
1年の内に高校に変わっていたということですが、高校も不足していることは間違いありません。
毎回、我々の活動には、シェムリアップで開業するタンメン・ヒア先生と看護師の資格を持つ奥様、それにそこで働いて独立した歯科医が手伝って下さいます。そして、我々の知らないところで、その日に診療を受診できなかったとか、更に治療した方がいい生徒のために、診療無料券を配っておられました。後日、3人の女子高校生がそこから60㎞も離れたシェムリアップの町にあるタンメン・ヒア先生の歯科医院まで治療を受けに来たとのことでした。
以下は關田理事のレポートです。
<2018年11月19日より3日間、SCHECの活動拠点であるシェムリアップ州で歯科診療活動を行いました。例年より歯科活動参加者は19名と少人数でありましたが、少数精鋭で、例年より中身の濃い活動が提供できたと思っています。
SCHECの活動拠点である、シェムリアップ州東部のコックトロック・ルー・サンキム中学校、州北部のスレノイ・赤坂・サンキム中学校(高校)に加え、今回SCHECが教室を寄贈した州西部の3小学校のうち2校で歯科活動を行いました。
今年の参加者、特に歯科衛生士の結束は良く、1ヶ月前の参加者説明会の後も、歯科衛生士の方々で現地の活動についてデスカッションを重ねたそうです。そのため、主に集団での口腔擦掃指導でしたが、個々に歯垢の染め出しなどを行い、口腔ケアの重要性について、ブラッシングヘのモチベーションの向上も図れるよう努力されています。
SCHECが数年に渡って拠点地区としている場所では、住民および学生の口腔への意識が高くなっています。無料治療への期待だけではなく、口腔ケアの重要性、また審美性も気にするようになり、歯石や着色の除去を希望する人たちが増えています。私たちの活動を年に1回の口腔審査(+クリーニング)と考えているようで、そのため今までより歯科衛生士の活動範囲が増えてきている状況です。しかし、これは本当の意味で口腔機能への意識が高くなったのか、または綺麗になりたいとの感情からなのかは解りません。口腔の状態から推察するに、口の審美性には注意が行っているようですが、口腔の健康維持という観点からのセルフケアに対するモチベーションはまだ低いように感じます。女学生は特に審美性は気になるようでした。動機はともあれ、徐々に総合的に口腔保健の重要性が伝播されていくことを期待しています。
3日間の活動の成果です。
1日目。コックトロック・ルー・サンキム中学校(州東部)では、8教室で、学生に歯垢染め出しを行う半個別的なブラッシング指導を300名の学生に行いました。並行して行った地域住民への歯科治療は約70名でした。
2日目。SCHEC赤坂デンタルセンターの置かれているスレノイ・赤坂・サンキム中学・高校で300名の学生にブラッシングの集団指導を行い、地域住民への歯科治療は約70名でした。また、SCHECが寄贈し開校式を行ったクナチョル・寿代・サンキム小学校では歯科衛生士を中心とした別班により200名の小学生にブラッシング指導を、その後の児童養護施設の訪問では一般衛生として、日常の手洗い方法を看護師を中心に実技指導が行われました。
3日目。2日目と同じくスレノイ中学(高校)で残りの300名の学生に対し口腔指導を、地域住民約70名に対し歯科治療をおこない、また、開校式の行われたタセン・寿代・サンキム小学校では2日目と同じく歯科衛生士を中心とした別班により200名の小学生にブラッシング指導を行いました。合計すると3日間の活動で、我々が行った診療活動は約1500名のカンボジアの方々に対応したことになります。
年々、シェムリアップ州の人々は、我々が行う診療への希望が痛む歯の抜歯より歯牙保存の方向になっています。良い方向に向かっているように見えますが、口腔機能としての咀嚼や発音よりも、審美性に注意が注がれているように思われます。国道や観光地から一歩内側に入ると、村の感じは10年前と殆んど変化は無いですが、裸足や裸の子供は少なくなり、少しずつレンガ造りの家や、家屋の中にコンロがある台所が見られるなど衣食住のQOLが良くなる傾向にある様に見えます。歯ブラシの購入に余力を割いていただき、ブラッシングが口腔機能、審美性の維持に重要であることを理解し、習慣化していただけることを期待して活動を続けたいと思っています。
今回の活動には3人のカンボジア王国の歯科医師免許を有する先生が参加していただけました、シェムリアップ州では50件近くの歯科医院がありますが、歯科医師免許を有する先生は数人です。地域の先生3名が協力していただけたのは大変心強いものがあります。我々の活動はカンボジア王国14州のうちシェムリアップ州に限ったものです。国の多くの人々を対象にして漫然とした状態で、ただ歯科処置を行うのではなく、州内の人々を対象とし、地域の国会議員や歯科医師の人たちと共同で口腔保健の向上に務めています。今回は診療1日目の中学校の先生が我々の活動の状況を撮影し、後日メールで200枚以上の写真を提供してくれました。この行為も、希望ですが、学校の先生も我々の活動に何らかの期待を抱いているのではと思っています。SCHECが活動地域としているシェムリアップ州で、国会議員、歯科医師、学校の先生達と共同して口腔機能、そのセルフケアの重要性について啓発し、学生達を通じ、将来その学生が家族を持った時にカンボジアの口腔状態が良くなることを夢見ています。>