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活動レポート
第32回SCHECカンボジア支援活動報告  18年4月
 2018年も423日〜27日まで、32回目のカンボジア支援活動を行って参りました。今回は17名の参加となりました。毎年11月の活動に参加いただいてきた池上、三宅、松川の3氏に加え、梶原理事を筆頭に大分グループが10人、山崎理事と高校1年生の新澤君、山中事務局長と私の顔ぶれです。
 カンボジアでは、4月は乾季の最後の月で、1年中で最も暑いとされるのですが、日中、気温は30度を超えるものの、今年はなぜか過ごしやすかったように思います。
 井戸は新たに49本のご寄付を頂き、為替差益分と合わせて70本の井戸を掘ることができました。これで通算3070本となりました。学校建設も小中学校をそれぞれ1校ずつ建設、未完成ながらも、生徒や村人たちと開校式を執り行ってきました。
【井戸掘り事業】

 4月の農村の風景は稲刈りもすっかり終わっており、数頭の白い牛が田んぼの真ん中に繋がれて、刈り残された稲を食む、のんびりとした光景となります。カンボジアの稲刈りは上半分ほどしか刈り取らないために、あとは牛の格好の餌になるという算段です。
 さて、いつもでしたら、井戸を視察しながら、井戸がどんな所に掘られているのか、どんな人たちが利用するのかをご理解いただくために、井戸に向かってフォーカス・インするように周辺の風景や生活ぶりも撮影して、ご寄付いただいたみなさまにお届けするのですが、今回はそれが不可能となってしまいました。実はプノンペンで最後の日にひったくりに遭い、カメラを奪い取られてしまったため、メモリーカードも紛失し、撮りためた写真をみなさまにお届けできなくなってしまいました。急遽、現地スタッフに必要最低限の写真を撮ってもらいました。
 毎年7%前後の成長率で経済発展するカンボジアですが、プノンペンなどの都市部とわれわれが活動する地方の農村地帯とでは格差が一段と拡がっており、その実態を少しでもお知らせ出来たらと思い、首都プノンペンを訪ねました。都市と農村の格差だけではなく、近代化する都市に特有の貧富の差も拡がっているようで、ひったくりに気を付けるよう注意されていたのですが、まさかの思いでした。カンボジアを訪問するようになって25年。極貧の時代から見てきましたが、物を忘れて取りに戻ったらなかったということはあっても、向こうから盗りにくるということは初めての経験でした。それだけ人心もせちがらくなっているのかも知れません。
【学校建設事業】
 シェムリアップの町から北西方面に約50q離れたクロラン郡に小学校と中学校を建設しました。ともに発注が遅れたことと現地での大雨が重なったために、工期が遅れ、訪問した時はどちらも工事の最中でしたが、ともかくも生徒や村人たちと開校式を執り行ってきました。
 一つはプーム・コム・ルー小中学校です。特に中学校は5つの村、プーム・コム・ルー村の他にスレン村、マハーサマキ村、ミアンチェイ村、スロナール村から生徒が通うのですが、小学校の教室を一部借りて授業を行っているとのことでした。現在350名の中学生が通っていますが、そのほかに5村の小学校の卒業生300人余りが別の中学校に通っているそうです。前に視察したスレノイ中学校で約1000人の待機児童がいたように、ここでも中学校に通えない生徒が毎年40名は生じるとのことでした。
 もう一つはサンボア小学校です。現在、クロラン郡サンボア地区サンボア村とドムナック・クーチャス村の幼稚園児から小学6年生まで302名(うち157名が女の子)が通いますが、毎年60名が入学するとのことです。現在の校舎は1996年に建設されたかなり古いもので、雨漏りを始め、かなり傷んできているとのことでした。昨年に道路が整備されるまではでこぼこのかなりの悪路で、雨季には小舟を出さないと近づけないようなところだったそうです。〉

これら二つの小中学校建設は、昨年1228日に亡くなられた渋谷壽代様のご寄付で実現しました。渋谷様はSCHEC2校目の「クチアイ・ハナ・サンキム小学校」をご寄付いただいて以来のご縁で、カンボジアにも2度訪問していただきました。以来、毎年井戸のご寄付を頂き、渋谷様の井戸看板を見るたびに、われわれの活動を見守っていただいている気がしておりました。2日前の26日にお見舞いに伺いましたが、その日は体調が思わしくなく、お会いすることはかないませんでした。建設予定地の写真と生徒数などのデータを預けてきたのですが、なんとか最後にお伝え出来たのではないかと思っております。
 中学校はSCHEC初めての2階建て8教室の校舎を建てることができました。これで遠くの中学校に通うことも無くなります。待機児童の解消にもつながります。渋谷様の多額のご寄付で実現できました。
ご親族のご意向もお聞きし、学校名は「サンボア・壽代(ヒサヨ)・サンキム小学校」、「プームルー・壽代・サンキム中学校」とさせていただきました。「サンキム」はカンボジア語で、「希望」の意味です。


 また、この11月の活動に向け、3校の小学校を視察してきました。3校ともクロラン郡にあり、いずれも粗末な校舎の小学校でした。そのうちの1校はお寺の境内に間借りした2教室の小学校で、村人たちが3年前にお金を集めて、近くに校舎を建てるべく土地を手当てしたものの、校舎の建設資金が調達できず、そのままになっていました。
 これら3校も渋谷様のご寄付で建設できます。学校名は未定ですが、「壽代」と「サンキム」の言葉を付すことになると思います。

▲屋外に屋根をかけた仮設の教室でしのいでいました
【その他のこと】

 大分グループは、いつものようにこれまでにご寄付いただいた3校の中学校を訪問し、生徒たちと交流を図られました。コックトロックルー・サンキム中学校で行われている日本語の授業も順調に進んでいます。毎回、3校の生徒たち一人ひとりに文房具のセットを寄付されてきましたが、今回はメンバーのアイディアで文房具入れに入れてのプレゼントとなりました。また、クナールトロン・ブンゴ・サンキム中学校へは昨年の訪問時の校長先生の要望を実現し、生徒たちが読書をしたり休憩したりする東屋(サマーハウス)を寄贈されました。

 SCHECの活動は主に井戸掘り事業、学校建設事業、歯科診療の3つが中心となっています。「歯を磨くにもきれいな水が必要」をモットーに、井戸視察では、利用する子どもや村人たちに歯ブラシを配っております。毎年11月に向けて2000本の歯ブラシをご寄贈いただくライオン株式会社様から、今回540本の歯ブラシを頂き、すべて配り終えてきました。

 今回も多くの方に井戸のご寄付を頂きました。また株式会社セクダム、株式会社世界地図、情報労連大分県協議会の会社、団体からもそれぞれ10本近いご寄付を頂いております。

 みなさまのご厚意には本当に感謝しております。昨年SCHECは設立15周年を迎えて、節目を迎えました。ですが、まだまだ課題の多い、脆弱な団体です。今後ともみなさまのお引き立てをお願いする次第です。

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