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活動レポート
第9回SCHECカンボジア支援活動報告  06年11月
 06年11月21日から25日までの第9回目のカンボジア支援活動も無事終えることができました。 今回は、歯科診療活動が2年ぶりに再開され、42名の歯科医のほか、歯科衛生士、看護士、ボランティアの方々を含め49名の歯科医師団を結成し、井戸、小学校の視察団の20名と合わせて総勢69名のかつてない大所帯での活動となりました。
猛暑の中、60本の井戸を視察しました!
 バコン郡アンピル地区のキリミノン村、タパン村、バンコーン村、トラパルン村の4村に合計60本の井戸を掘ることができました。約180世帯、1260人あまりの子どもや大人たちが利用することになります。井戸のある場所ごとに車を乗り降りし、途中、水没した道路をマイクロバスで渡るなどハードな行程でしたが、参加者は汗だくになりながらご寄付いただいたノートやボールペンを子どもたちに配りました。
▲水没した道路に悪戦苦闘の視察
▲ようやく貯水槽の建設に着工しました
ついに新プロジェクト、簡易水道の建設に着手!
 多数の方々のご寄付により、ついに簡易水道の建設に着手することができました。これは、施工総額200万円にのぼるプロジェクトです。深さ80m〜100mの大型の井戸を掘り、塩化ビニールのパイプで従来の井戸では水の出ない地域に新鮮な水を供給するものです。発電機を設置する高さ4mの建物の上に6万リッターの水を蓄えることができる3.5mの貯水槽を造り、夜のうちに水を貯め、朝から時間制で水を供給します。建設場所はチクレン郡サンバーイ地区ピアックスピアー村。336所帯、1560人(子どもの数は600人)に供給します。現地は井戸水を掘り当てたばかりで、ようやく貯水槽の建設に着工したところでした。次回の訪問では完成した簡易水道と村人たちの喜ぶ姿を視察できそうです。
▲子どもたちが温かく迎えてくれました
▲みなさまからご寄付いただいた品々
▲吉城高校からの千羽鶴を掲げる森山さん
クラクモム・サンキム小学校の開校式典に参加!
 350万円の建設資金が200万円弱しか集められず思案する中、パートナーであるカンボジア国会議員のシアン・ナムさんのご協力により、小学校建設事業8校目となるクラクモム・サンキム小学校を建設することができました。天井や壁が破れ腐朽が進んでいた2教室の木造校舎も、6教室の鉄筋コンクリート校舎に生まれ変わり、午前・午後の2部制ながら500名の児童の就学にメドがつきました。開校式典ではご寄付いただいた方々を代表し、SCHECの河野篤理事長が国家再建勲章と表彰状を受け取りました。また、文化祭でカンボジアを取り上げ、募金活動で5本の井戸を寄付してくださった岐阜県吉城高校の生徒会から預かった千羽鶴が、SCHEC事務局の森山陽子さんから小学校の先生に手渡されました。

〜以下、森山さんによるスピーチ〜
「クラークモム小学校の皆さん、地域の皆さん、新しい校舎の完成、おめでとうございます。私はSCHECの事務局の森山と申します。日本の吉城高校の生徒の皆さんからの贈り物を預ってきました。これは、紙で鶴をつくり、千羽集めて糸でつなげた、千羽鶴というものです。日本では神様にお願いをするときにつくります。『クラークモム・サンキム小学校の皆さんの未来が、平和で豊かでありますように。勉強に、遊びに、一生懸命とりくんでください。』という祈りをこめて、吉城高校の生徒の皆さんが作ってくれたものです。吉城高校の生徒の皆さんは、カンボジアが、戦争が終わったばかりですべての家庭が井戸を持つことができないことを、勉強して知ったそうです。そこで、多くの人にカンボジアのことを知ってもらえるように工夫して、寄附を集めて、今回、クラークモム村に井戸も贈ってくれました。遠く離れた日本という国に、皆さんのことを考えている子ども達がいることを覚えておいてください。そして、カンボジアの子ども、日本の子ども、みんなが同じ地球の仲間として、将来、一緒に勉強したり仕事をしたりすることができる日がくるのを楽しみにしています。」
▲全員汗だくになりながらの歯科診療活動
2年ぶりに歯科診療活動を再開!

22日、シェムリアップ州
プラサート・バコン郡オンプル地区
23日、シェムリアップ郡スロガエ地区
24日、チクレン郡コックトロークルー地区
クラクモム村
25日、シェムリアップ郡シェムリアップ地区
ソンダム村

 4ヶ所で歯科診療活動を行いました。いずれも炎天下に野外診療所を設営しての活動で、全員汗だくになって診療しました。毎日100〜190名の診療に当たり、当初予定した600名の患者を診療することができました。さらにSCHECが初めて建てたバンテアイスレイ・サンキム小学校2、3年の生徒52名の歯科検診、ブラッシング指導も行いました。また現地で開業し、医薬品の現地調達に毎回ご協力いただいているタン・メン・ヒアご夫妻も治療に当たってくださいました。
▲多くの子どもが学校に通えないでいます
▲視察によって小学校の現状を把握します
▲視察に緊張ぎみの子どもたち
チクレン郡コックトロックルー小学校と
ポンロールー地区プレイチカー村の小学校を
視察しました。
 支援活動と並行してSCHEC副理事長の田口が2ヶ所の小学校を視察しました。1校目はシェムリアップから約70km、国道からさらに10km入った村にあるチクレン郡コックトロックルー小学校。生徒数が2408名の大きな小学校でした。この地区には中学校がないために、過去5年間で1000人の卒業生が進学を諦め、今後も毎年200人の卒業生が出るそうです。また周囲の小学校では4年生まで通って、その後は学校を諦める子も多いとのことでした。「是非、中学校の校舎が欲しい」。地元の人たちの切なる願いです。4haある密林状態の建設予定地には、いまだ建設のメドは立っていません。

 2校目はさらに25km入ったポンロールー地区プレイチカー村。密林の中をバイクで進みようやく辿り着いたのは、ヤシの葉で葺いた2教室の小学校でした。プレイチカー村のほか、ラウィック村、サップモアン村の子どもたちが通いますが、1年生から3年生までの160名がまだ学校に通えない状態です。22歳の女性教師ディ・サヴィーンさんは村人たちが学校の敷地に建ててくれた家に住み、夜は用心のため子どもたちが交代で一緒に寝泊りするとのことでした。どちらも一刻も早く校舎を建ててあげたいと思いつつ、思案に暮れています。
 今回の活動に際しましてはボールペンや歯ブラシ、歯科診療に必要なタオルのほか、Tシャツ120枚を寄付していただき、不足している子どもたちの入院着の足しにとアンコール小児病院に寄付させていただくこともできました。次回は06年4月下旬の活動を予定しています。これからも継続的な活動を維持していくために、今後ともみなさんのご理解とご協力をお願いいたします。
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