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ボランティア体験記
「SCHECの活動に参加して」

川邉梓さん・同志社大学1年 (第35回SCHECカンボジア支援活動 19年11月参加)

 ユニセフ募金やNPOに所属する方の講演を通して、カンボジアなどの発展途上国の生活の実態は聞いたことはあるものの、間接的に知り得たものであるが故に想像がつかず、ただ理解しただけになっていた。
 だが、今回はじめてカンボジアの人々の、日本とはかけ離れた生活を見てその深刻さを身にしみて感じた。しかし、それ以上に私の目に焼き付いたのは、彼らの劣悪な環境に負けることなく、笑顔も見せながら生きている姿だった。
 
 農村部には高床式を備え、扉や窓がある立派な家がある一方でトタン屋根や茅葺き屋根で風雨をしのぐ家が数多く見られた。そのような中でもありとあらゆる工夫をこらし、家族全員で協力して家事をしていた。母親は家で洗濯、娘は近くの小川(川といっても日本では目にする事の無い、ゴミで汚れた川だったが)で魚を洗っていた。その光景を目にした人の「ちょっと食べたくない」という声も聞こえたが、それを食べるのがこの家族の当たり前になっていると思うと自分がいかに恵まれているか思い知らされた。

 また、彼らが着る服も洗濯されているとはいえ、まだ汚れていて良好な衛生状態とは言えないものだった。だが、嫌がることなく、裸足で自然の中を、笑い声を上げながら走る姿はとても微笑ましかった。



 さらに、開校式での子供達の笑顔には新校舎やこれからの勉強への期待に胸を膨らませる彼らの気持ちがあふれていた。寿代さんが生前におっしゃっていたように、子供達が抱く期待は未来のカンボジアの為にも決して絶やしてはいけない。そのためにも子供が教育を受けられる状況、例えば衣食住の改善、学校建設といった支援を行っていかねばならない。

 都市部は観光化されているとはいえ、農村部はまだまだ十分とは言えない生活を強いられている。だが、我々が訪れると人々は笑顔で出迎え、接してくれた。また、その苦しさに負けることなく知恵を振り絞り、あるものを最大限に活用し無駄にせず(井戸の先端にペットボトルをつけ水が飛び散らないようにしている家庭の多さには驚いた)、毎日を過ごしている。恵まれた環境で平和ボケしている我々日本人のことを考えると、困難を乗り切る精神力や生命力、真面目に作業を行う姿など、我々もカンボジア人から学ぶことも多いのではないか? 今回農村部に足を運ぶことで、小学校の時から聞かされていた生活状況を直に体感でき、貧困や格差の問題への見方が変わった。また、人々のひたむきさ、暖かさは自分の人間としての未熟さを教えてくれた。私は恵まれた環境の中にいてもなお贅沢を言っていたが、カンボジアの子供達にとってそれは到底できない。それにもめげず一生懸命に生きる彼らの姿は多くのことを教えてくれた。

 7日間を通して、見て聞いて感じたことを忘れることなくこれからの大学での勉強や社会人での活動に生かしていきたい。
SCHEC