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「2018年SCHEC活動を終えて」
瀬川正嗣さん
(第33回SCHECカンボジア支援活動 18年11月参加)
今年も
11
月
18
日〜
11
月
23
日の日程で
SCHEC
の活動を終え、無事に皆帰国した。シェムリアップもここ数年は急速に栄えて来ていたが、今年は一段とそれを感じる事になった。水祭りの最中だったせいかもしれないが、繁華街の綺麗なレストランの中でカンボジア人の家族が食事をしているのを沢山見かける様になったからである。数年前までは考えられない事だ。また中国資本のカンボジア進出の勢いも強く肌に感じた。
歯科活動においても、患者さんのニーズの変化を強く感じさせられた活動となった。3日間の活動で
TBI
(歯磨き指導)を含め約
1500
人のカンボジア人に対応したが、診療は約
210
名程。更にその内の半分は
SC
(清掃)希望での受診だったのだ。処置内容においても、数年前までは大半の患者さんが抜歯適応となる症例が多く、充填処置(虫歯を削って詰める処置)はごく一部の患者さんに行う程度だったが、今年は抜歯処置になる患者さんはいるものの、圧倒的に充填処置を希望される患者さんが多かった。個人的な感覚だが、特に中学生〜高校生ぐらいの物心つく年頃の女の子が多かった様に感じる。この辺は日本とほぼ変わらない感覚だ。治療していて感じたのは何故か上顎前歯の正中のみ皆虫歯になっているという事。更に上顎前歯の破折も非常に多かった。これは後で通訳に聞いた話だが、カンボジア人の子供は飴玉が大好きで、飴玉を前歯で噛む習慣があるとの事。これが今年の治療背景にあったようだ。
ここ数年でカンボジアの成長を非常に強く感じる様になった。それは繁華街のネオンだったり、外国人旅行者の増加、道路状況の改善に限らず、学校での衛生状態の改善、学生の審美への欲求、口腔内の齲蝕の減少からも感じとる事が出来る。カンボジアが栄えるのは非常に好ましい事だが、貧富の差が開き続けているのも問題だ。
毎年、
SCHEC
の活動に参加させてもらっているが、いまだに新しい発見がある。正直体も疲れる様になってきた。中学校が突如高校になっていたりと変わらず無茶苦茶な事も起こる。それでも、あの治療が終わった時の患者さんの笑顔を見ると、全てが心の底から洗い流される。やはりこの活動はやめられない。