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ボランティア体験記
「初カンボジア滞在記」

林憲一さん (第9回SCHECカンボジア支援活動 06年11月参加)

地球上にたった一つ、私の名前を冠したカンボジアの井戸。

  「え!カンボジア?そんな危ない国に私は行きません!」妻は言う。「そんな国に行って大丈夫なんですか?変な病気持って帰らないでくださいよ。」職場の同僚諸氏も言う。
 田口さんや吉田さんからカンボジアでのボランティア活動のお誘いを受けたとき、私が最初に連想したのもポルポト派、地雷それに鳥インフルエンザ。カンボジアと聞いても、悪いイメージばかり。それに、一介のサラリーマンである私が行って何の役に立つの?
 「林さん、現場主義ですよ。」事務局長の山中先生が一言。そう「現場主義」。どんな場合でも、まず現地に行って自分たちの目や耳で確かめる。それが、以前山中先生や吉田氏らと一緒に仕事をしていたときの合言葉。妻の反対も押し切って参加させていただくこととする。

 06年11月22日夜シェムリアップ着。翌日は中古のマイクロバスで朝から井戸の視察に向かう。頻繁にクラクションを鳴らしながら行き交う車やバイク、そして自転車。こちらでは、バイクの3人乗りは当たり前。カンボジアの人々のたくましさと活気を肌で感じる。

 国道から外れると、もうロデオ状態。最初にSCHECが初めて手がける簡易水道工事の現場に着く。井戸と簡単な水道施設ができれば周辺の約500世帯に給水が可能となるとのこと。村人や多くの子どもたちが集まってくる。少女がヨチヨチ歩きの幼児の面倒を見ている。二人にノートと鉛筆をあげようとしたら、幼児が泣き出してしまう。まわりにいた大人たちが、泣いている幼児を優しく何か言い聞かせている。当たり前だが、幼児の泣き声は日本と同じ。だけどここでは、日本では希薄になった、みんなで子どもの面倒を見て、みんなで育てていくというコミュニティがちゃんと存在しているのだ。

 その後、1本2万5千円の井戸を1本1本見て廻る。私の井戸は?ありました。最後の最後に。昔田舎のお祖父ちゃんの家にあったのと同じタイプだけど、ちゃんとシールドまでしてある。自分の名前の書かれた看板と井戸を囲んで子どもたちと記念撮影。地球上にたった一つだけれど、自分の名前を冠した設備ができた。照れくさいような面映いような妙な気分。


宙を舞う紙飛行機、輝く子どもたちの瞳。

 翌々日(24日)は、小学校の開校式。SCHEC事務局の森山さんから、「開校式の後、子どもたちと折り紙をして遊ぼうと思っています。林さんたちも手伝ってください。」とのこと。小生の「何を折るのですか?」との問いに、「できれば鶴を」。聞けば今回岐阜県の吉城高校の生徒さんから、自分たちのお小遣いを貯めて寄付した井戸とともに、千羽鶴を託されてきたとのこと。新しい学校にその千羽鶴も手渡すのだという。開校式でご自身が作詞・作曲した「メコンデルタ」という曲をギターで演奏された横山さんが、「鶴だったら、きっとみんな折れますよ。」本当かな?第一自分が折れないよ。私が幼稚園児の頃、一番嫌いだったのが「折り紙の時間」。他の園児たちが折り紙をしている最中に、一人だけ紙飛行機を飛ばして、いつも怒られていた。折り紙に関しては前科がある私なのだ。

 開校式も終わり、生徒たちに文具等も配り終えた。さあ、折り紙で遊ぶ時間。森山さんをはじめ、他の方々が鶴の折り方を教え始める。だけど子どもたちは紙で遊んだ経験(カンボジアでは紙も貴重なので)がないうえに、言葉も通じないので上手くいかない。
 そうだ、あの悪戯をしよう。手元の折り紙で紙飛行機を作りピューンと飛ばす。子どもたちの目が一斉に紙飛行機に集中。教室の真ん中に落ちた紙飛行機。拾った子どもに飛ばし返せとジェスチャーで伝える。そばの子どもたちの手を取って折り方を教える。森山さんたちも方針変更。みんなで紙飛行機の折り方を教え始める。上手に折って飛ばす子どももいれば、私のように不器用な子もいる。そんなに何回も折ったり広げたりしたら、飛ばなくなっちゃうよ!だけど子どもたちの瞳はみんな輝いている。

 私がカンボジアで行ったことは、ほんのわずかなことにすぎません。しかしカンボジアの人々は、私たち日本人がいつの間にか忘れてしまった大切なことを逆に思い出させてくれました。一人でも多くの方々が、この「SCHEC」の活動に賛同し、参加していただければと思います。迷っているあなた、まず「現場主義」ですよ。
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