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ボランティア体験記
「カンボジアの子どもたちに魅せられて」

内海智勝さん(第5回、第7回SCHECカンボジア支援活動 04年11月、05年11月参加)

 一昨年(2004年)、昨年とSCHECのカンボジア支援活動に参加し、今年も11月に参加の予定にしている。 なぜ、何度も行きたくなるのでしょうか、アンコール・ワット等の遺跡群も素晴らしいが、 もっと素晴らしいものがあるからです。それは謙虚で礼儀正しい子どもたちに会えるからです。

 一昨年の2月、飲み会で山中弁護士(SCHEC事務局長)から、「カンボジアにボランティアで行きませんか」と声を掛けられた。カンボジア=アンコール・ワットは前から一度は行って見たかったが、地雷がまだたくさん有りそうで、個人旅行をするのにはちょっと勇気がいる所だったので、良いチャンスと思いその場にいた吉田稔氏と一緒に参加することにした。

 最初の動機はもちろん世界遺産のアンコール・ワットを見学できるのに胸を膨らませての観光気分であった。


新しい小学校を心から喜んでくれる子どもたち、
そしてこれからの課題。


 SCHECの寄付金で建設された小学校の開校式に出席した。国道からわき道に入るとでこぼこの泥道、我々の乗ったマイクロバスは大きくローリングしながら、わずか10キロ足らずの道を1時間以上かけてやっと学校のある場所に予定より30分も遅れて到着した。

 到着して驚いた、道の両脇何10メートルにわたり子どもたちが日の丸とカンボジア国旗を打ち振ってのお出迎えである。国賓への歓迎のように。最初は恥ずかしくて通れるものではない。意を決して通りながら、先生に言われて暑いなかしょうがなく参加させられているのだろうと思ったが、子どもたちを見ると、うれしそうに旗を振っている。新しい学校で勉強できる様になったのが本当にうれしいのだそうだ。後から聞いた話によると、前の校舎は雨漏りのするボロボロの校舎で、雨をよけながらの授業であったようだ。子どもたちに写真を向けるとちょっぴり恥ずかしそうな顔をするが、素敵な笑顔である。

 式典が終わり、歯科医師団による野外の歯科診療、歯科衛生士さんの教室でのブラッシング指導。歯ブラシを初めて見た子どもたちは熱心に磨き方を聞いていたのが印象的であった。

 何もできないので、その間子どもたちと遊ぶことにした。ボランティアの人たちが持参した折り紙や縄跳びで教室や校庭で子どもたちと遊んだ。叔父さんサッカーチームの一員であるので来年はサッカーボールを持参して一緒にボールを蹴ろうと思った。

 そして昨年の開校式には、使用した中古のサッカーボールであるが、クラブから5個ほど譲り受け、予定通り持参し、子どもたちに進呈できた。しかし、今度の学校は前よりもっと奥地にあり、道も国道を入るとマイクロバスでは行けないほどのがたがた道。ランドクルーザーに2時間以上揺られてやっと到着する場所にあったので、式が終わってから、学校にいる時間があまり無く、残念ながら子どもたちとサッカーに興ずる時間は取れなかった。

 今年もボールを持参し、子どもたちとサッカーができる時間が取れればと思っている。

 開校式を終えて気になることがあった。それは、華やかな式典を遠くから羨ましそうに見ている大勢の子どもたちである。教室が少ないこともあるが、戦前の日本の様に、働き手である子供たちを学校に行かせられない家庭が、まだたくさんあるようである。このことは学校をたくさん作ることに加え、これからの活動の課題ではないだろうか。


アンコール遺跡にも負けないくらい素晴らしい、
カンボジアの子どもたち。

 井戸の視察は各集落に寄付により設置された井戸の使用状況を見て回るのだが、これが結構大変な作業である。一昨年11月は82本、昨年11月は76本、たったそれだけではあるが、集落ごとが離れているので、大抵2日掛りである。また、毎年奥地になっていくので、年々時間を要することになる。それでも、井戸視察は毎回このツアーに参加するようになった一番の要因である。前述の様に謙虚で礼儀正しく、貧しくとも(我々が勝手に思っているのかもしれないが・・。お米は手入れしないでも年3回は実るので少なくとも食糧には事かかない)笑顔の素敵な子どもたちにたくさん会えるからである。

 井戸を視察すると子どもたちが物珍しそうに、たくさん集まってくる。井戸の周りで一緒に写真をとり、みなさまから寄付をいただいた使いかけのボールペンとか手作りのノートをプレゼントするととてもうれしそうに受け取ってくれる。でも誰一人として我先にと手を出すことは無く、受け取ると手を合わせて「オー・ケン(ありがとう)」とお礼をちゃんと言う。

 回りの大人たちも、自分の子どもがプレゼントを受け取るのと同じように「オー・ケン」とお礼をしてくれる。カンボジアの人たちは周りの国々に比べ慎み深く温和な民族なのである。(狂気の4年間はなんだったのだろう)。

 最初来た時「世界ウルルン滞在記」と言うテレビ番組の様にここで何日か過ごしてみたくなった。帰りたくなくなるかもしれない

 アンコール・ワット、アンコール・トムも素晴らしい遺跡である(特に壁画は)。でもそれよりも、笑顔と、きらきら輝く瞳。謙虚で礼儀正しい子どもたちに会いに、今年もまたカンボジアに行ってきます。
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